ビニール傘のできるまで
現在では、ビニール傘は海外での生産が主流となっております。
普段はめったに目にすることがないビニール傘のできるまでをご紹介したいと思います。
今回、紹介するのは、海外生産の中でも、もっとも多いと言われている中国での生産現場です。
広大な土地を持つ中国ならではの大きい工場になります。
ビニール傘の工場は、中国内陸部に多く集まっており、広く平らな土地に
数々の工場が存在します。
実際に工場の内部を見学してみます。
これは、ビニール傘の手元になります。
大きな機械に原料を入れて、成形していきます。
しばらくすると、ビニール傘の手元部分が、バラバラと出てきます。
それを一つづつ、切り離して、次の工程に運びます。
こちらは、ビニール傘の骨にあたる部分です。
一本、一本、手作業により金具をとめながら、つなぎ合わせていきます。
これをひたすら繰り返して、一本のビニール傘の骨ができてきます。
こちらが完成した金具です。
金具部分とは別に、傘の生地の生産を行います。
こちらは別の生産ラインになります。
ミシンで生地のふちを縫い合わせていきます。
こちらの生地は、ビニール傘の乳白(エンボス)の生地になります。
きれいに長く伸びた生地を今度は、ビニール傘に合うように
三角形に切り出します。こちらも手作業での工程になります。
傘の生地を三角形に切りだしたら、その生地を縫い合わせる作業になります。
一枚、一枚、三角形の生地をミシンで手作業で縫い合わせていきます。
縫い合わせを行う作業所では、多くの若い女性の工員が
作業をおこなっていました。
ミシンをかける音が鳴り響き、工場の中でも
もっとも騒がしいエリアの一つです。
こちらは、ビニール傘の骨組の組み立て作業になります。
長い棒に、開閉がスムーズかどうかをチェックしながら、骨の部品を組み合わせていきます。
こちらの作業もかなり修練されないとできない作業で
手早く開閉チェックをしながら、部品を組み立てていく動作はまるで
マジシャンのような手さばきです。
ここまでくると、ビニール傘のどこの部分かわかりますね。
ビニールの生地がついていない姿です。
ここから、ビニールの生地と、持ち手等を付けると完成します。
完成したビニール傘は、大きなコンテナに入って、中国の港に運ばれ、
そこから数日かけて、日本に届きます。
写真のコンテナは40フィートのコンテナになります。
積荷作業も、フォークリフトと手作業により、数時間を要して
コンテナに詰め込まれます。
全ての工程において多くの手間と人の手がかかり生産されているのが
お分かりになるかと思います。
日本の港についたコンテナは、通関検査を経て、大型ロジスティックセンターに運ばれます。
そこで、外箱に破損やへこみ等がないかチェックされ、不良品ははじかれます。
こちらでもコンテナからの積み下ろし作業に大人5〜6人ほどで数時間の時間を要します。
フォークリフトも使用しますが、手間がかかる作業になります。
ビニール傘の外箱は、重さで下の商品がつぶれないように、
5段までの積み上げにしています。
また、外箱と言えども、汚れやゴミ等が紛れ込まないように
ビニールでラッピングして、荷崩れや汚れがでないように保管してあります。
こうした物流を経て、各店舗や会社に運ばれ、人々の手に届くのです。